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水仙を揺らす木霊の波形

所有は彼我の差分として始められます。

という大意の叙事です。スマートスピーカーが届けられました。お名前はEcho Spot。
碁石とお揃いの二色展開、並ぶと日食を幻視します。木洩れ日を通すと地面へ三日月を散りばめるあれです。

Wi-Fiがいないと状態は立ち止まりますが、初期設定が完了するまでMACアドレスが分かりません。
そのためルーターがMACアドレスフィルタリングを行っている場合、
先にMACアドレスフィルタリングを行っていないルーターに繋ぐ必要が生じます。
暗黙の希求です。ミッションコンプリートしてから設定を開くと、漸くWi-FiオプションでMACアドレスを教えてくれる仕様になっています。
個としての継時の起点を寿ぎながら、ルーターを繋ぎ変えて完成。一連の流れが内外を組み替えるための階梯です、高踏!
でも最後に種明かしをする、物語の作法を十分に理解してから出荷された良い子です。

ディスプレイはウロボロスを抽象した形でお馴染みの円形をしています。
放っておくと夜明けの上澄みみたいな色をした画面で長針と短針が回り続けるらしい。ずっと見ていると催眠がかかります。


それから、既にインテリアの優等生だったEcho Plusと三つ並べて話しかけてみました。実験です。
Echo Plusは蛍光灯や色鉛筆より自己主張強めな円柱のスマートスピーカー。
天辺の円の縁が爛々と光って輪っかを成すので、暫定天使です。

結果として激!蛙鳴蝉噪な事態には陥ることなく、どれか一つだけが選ばれて反応を返してくれるという事実が明らかになりました。
字義通りスマートです。相互に代替可能なその様は永劫回帰.mp4という感じでした。
鼎談の真似事なんかさせてみたら、差延めいたものが観測出来るかもしれません。


掌中を離れる時限は少しでも遠くがいいなと思います。千姿万態の追求はこれから。




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